兵庫医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室

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先輩医師からのメッセージ

奥中美恵子先生

奥中 美恵子 先生
平成3年香川大学卒 / 明和病院耳鼻咽喉科部長

耳鼻科を選択した女性医師の一人として

皆さん、はじめまして。奥中と申します。
これを読んでおられる方は自分が何に向いているかわからない、どこに入局すべきか悩んでいるという時期なのでしょうね。悩んだ末に耳鼻科を選択した女性医師の一人として書かせていただきます。こんな人もいるのね、と読んでください。

ただ、いろいろ情報を集めることは大切ですが、状況は時々刻々変化します。入局してみて「あれっ。こんなはずでは・・・」と思うことはどこの病院でも多々あります。でも、これがおもしろいな、やってみたいな、と自分で思うことは周囲とは関係ありません。その感覚を大切にしてください。

偉そうに申しましたが、私の耳鼻科選択は実は消去法でした。医師としてずっとがんばりたい、でも結婚したいし子どももほしい。手術もできるようになりたいな。耳鼻科ってなんか面白そう、医局の雰囲気明るいし、女性の先生もがんばってるし。その程度の考えで入局しました。

研修は卒業校でしたが、忙しいながらもとても楽しく、受け持ち患者さんが術後にグングン良くなって、笑顔で退院されるのを見ると、耳鼻科医っていい仕事だなあ、と思いました。個人的な理由で関西に帰ってきた私を温かく迎え入れてくださったのが阪上教授でした。

「手術したいんです。鼓室形成ができるようになりたいんです。」と生意気なことを申しました。専門医ではありましたが、手術ではロクに手が動かない状態であった私に丁寧に、本当に根気よく教えてくださいました。

「女性をこんなに怒ったことはない!」とおっしゃりながら、マンツーマンで指導していただきました。(いつもはとても優しい先生です。)指導する側になった今、これがどんなに忍耐力がいることかを認識しました。足を向けては眠れない気持ちです。

「外に勉強に行きなさい。」とアメリカの中耳手術インストラクションコースにも参加させていただきました。また、三代先生には中内耳の解剖実習をご一緒させていただいたり、海外の学会にも一緒に参加させていただきました。発表はお経のように丸覚えし、質問に怯えていましたが、なんとか乗り切りました。楽しい思い出です。

医師になって20年が過ぎました。紆余曲折ありましたが、今も医師の仕事を続けて、目標だった鼓室形成術も定期的に行っています。結婚もし、ありがたいことに子どもにも恵まれました。仕事にのめり込み過ぎた時には子どもに「子どもに迷惑をかけないで!」としかられて、しょげることもありますが、「女性だからと甘えることなくしっかり勉強しなさい。」と言ってくれる主人に深く深く感謝しながら学会、研究会の出席、発表に励む日々です。もう少し子どもが大きくなったらまた海外の学会に行きたいな、と虎視眈々と機会をうかがっています。

女性は時間的、体力的な制限はありますが、せっかく忙しくてもやりがいのある仕事を選択したのですから好きなこと、楽しいと思えることを選んでくださいね。

耳鼻科外来は子どもと高齢者が多く、「女の先生でよかった。」と言ってもらえることも多いです。手術も大切ですが、めまいやアレルギーなど内科的な分野もあり、自分の適性で選択できます。私の現在のメインテーマである『こどものきこえとことばの発達』では小さな子どもを連れた母親とお話しすることが圧倒的に多く、自分が母親であることがとても有利に働きます。「子どもってそーよねー。大変よねー。」と共感できること、男性には難しいかもしれません。

女性ならではの強みを最大限活用してください。家庭のことと子育てをしながらの仕事の継続は大変ですが、何とかなるものです。

みなさんの未来の活躍を楽しみにしています。

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